まずは信頼関係を作ろうと思って子ども達を褒めているけど、あまり効果が感じられない。褒めるところを探そうとするけど、どこを褒めていいのかわからず困っちゃう…
誰かと信頼関係を作る時の基本は「褒める」ことです。
大人だって、褒められたら嬉しいですし、その人のことを好きになりますよね。
子どもも同じです。
むしろ子どもの方が大人より素直な生き物なので、褒められたことをそのまま受け止めることができます。(大人はあまり褒められすぎるとその裏とか気にしますよね…)
子ども達と信頼関係を作りたければ「褒める」ことは必須の技術です。
ところで、褒めれば何でもいいからと適当に声をかけていませんか?
ドキッ!!!!!
これを考えずにやみくもに褒めていても子どもに変化はありません。
この記事では、子どもとの信頼関係を高めるための具体的な褒め方について解説していきたいと思います。
①子どもの自己肯定感を高めるために褒めましょう。
なぜ、子どもは褒めないといけないのでしょう?
これは信頼関係を築くことともう一つ、子どもの成長にとってとても重要な「自己肯定感」を高めることにあります。
自己肯定感とは…「自分は大切にされている。」「ありのままの自分でいいんだ。」と、自分の存在を肯定できることです。
誰かに認められた、褒められたという経験はその子の自信に繋がり、自分のことを信じられるようになっていきます。
こちらが話をしても逆切れしてきたり、素直に話が聞けない、問題行動が多い子どもたちの原因の一つに、この自己肯定感の低さがあります。
自己肯定感の高い子は、自分に自信があるのでこちらの話も素直に聞くことができます。
先生は僕のために言ってくれているんだ。気を付けよう。
ですが、常に怒られたり、十分に愛されていないと感じるような自己肯定感の低い子はこの相手の話を受け取る余裕ができていません。(中にはもともとの性格から悲観的な子もいます。)
なので、自分を守るためにさらに反抗的な態度をとって自分を正当化しようとするのです。
どうせ先生なんか怒ってばっかりで僕のことわかってくれないんだ。
この自己肯定感の低い子は実は繊細なので怒られるとこれ以上傷つきたくないので態度が悪くなります。もしくは「取り合えず謝ればいい」と、表面的な解決しかできず、またすぐに問題行動をおかします。
褒めるときは、まずこの自己肯定感の低い子たち、ついつい叱られてしまうような子ども達を褒めていきましょう。
この自己肯定感は、大人になってからも困難を乗り越えられるかどうかを左右する大事な力になります。
保護者とも連携をしあいながら、自己肯定感を高めるような保育を目指していきましょう。
②どんな小さなことでも褒める!
褒めることで子どもの心の距離が近くなります。
この先生は僕の事ちゃんと見ていてくれる。
反対に出来ることが当たり前で注意ばかりされている子は、先生に対してどんどん不信感が溜まっていきます。
さっきまではちゃんとしてたのに、できてない事ばっかり言われて嫌になる…。
だって、褒める所なんてないんだもん!!
と、言いたい気持ちもよく分かりますが、このままでは関係は平行線どころか悪くなる一方です。
相手はまだ人生5,6年しか生きていない子ども。
子どもの置かれている環境などを配慮しながら、大人が歩み寄るしか解決方法がないのです。
さすがに、どんな困った子でも、ずーーっと悪いことばかりはしていないと思います。
ついつい出来ていない事ばかりに目が行きがちになりますが、小さなことでもいいのでまずは褒めるように心がけましょう。
- 入ってきてすぐに支度が出来た。
- 片付けが出来た。
- 落ちてるおもちゃを拾ってくれた。
- 絵や工作が得意。
- 給食を好き嫌いなく食べる。
- 走るのが速い…など
③降園時、保護者の前で褒めることも効果的
これは、保護者との信頼関係にも繋がるので、なにか一つはその子のエピソードが話せるといいですね。
子どもは、一番大好きなお母さん、お父さんの前で褒められるのは最上級にうれしいことです。
特に本当に頑張ったことは褒めることを忘れずに伝えましょう。
先生はちゃんと僕のことを見ていてくれた!大好きなお母さんの前でも褒めてくれた!!明日も頑張ろう!
と、好循環に繋げられるといいですね。
余談にはなりますが、保護者に伝えることは子どもが頑張ったこと、笑えるエピソードなど、9割はプラスになることがいいです。
子どもの困った姿は、誰かを傷つけてしまったとか、本当に家庭と協力して何とかしないといけない時などにしましょう。
それも先輩の先生や、園長、主任と相談したり、落ち着いた懇談の中で話すなど、かなり気を遣って伝えた方がよいでしょう。
たいていは保育士さんの方がお母さんより若く、まだ自分の子どもを産み育てた経験がありません。
子どもを赤ちゃんから育てるということは本当に大変なことです。
とくにまだ経験の浅い先生からマイナスのことを言われるのは親からすれば
生意気な小娘が…
とさえ思われてしまいます。
実際にそう言われていた先輩がいました…。
いくら保育士の経験が5年あったとしても、独身20代の先生がほとんどです。
やはり、親のからみればまだまだ子育ての本当の大変さを知らない小娘なのです。
日々のお母さん達の苦労を労う姿勢を忘れずに保護者と接しましょう。
④OKな褒め方とNGな褒め方
いくら褒めるのがいいからといっても間違った褒め方をしてしまうと、子どもは傲慢になったり、自信過剰になって努力することをさぼってしまうようになります。
ここではよくしてしまうNGな褒め方とOKな褒め方を紹介します。
①子どもをよく見ないで褒める。
もうお仕度終わったの?
終わったよ~!!
すごいね!はやい!!
本当は終わってないけど、この先生ちょろいぜ
こうやって見れば当たり前な話なんですが、意外とやってしまいがちです。
子どもの姿をよく見てから褒めることは大前提。
②「すごい!かっこいい!!」だけではなく、具体的な行動+感謝を伝える。
先生!もうお仕度終わったよ!!
すごい!かっこいい!!日本一!!
これでも確かに子どもは褒められたと思いますが、この「すごい!かっこいい!!」という言葉だけでは子どもは賞賛されただけで天狗になってしまいます。
本来なら支度はやるのが当たり前で特別なことではありません。
ですが、このように毎回賞賛の言葉をかけられていてはお仕度しただけで「お仕度してすごい」=「お仕度はすごい大変なこと」と、子どもの中でインプットされてしまいます。
これでは取り組むのが億劫になったり、お仕度をするたびに褒めてもらわないと気が済まない子になってしまいます。
そうではなく、子どもの行動そのものを認めてあげましょう。
先生、お仕度終わったよ!
ぴよ太郎君(名前を読んであげる)一人でお仕度できたんだね!
先生も助かるな!
うん!!
子どもは、自分の話を聞いてもらえた。自分が認めてもらえたと思うだけで十分満足します。
過度に褒めすぎる必要はないのです。
さらに、賞賛の言葉より、感謝の言葉を伝える方が子どもたちの満足度がもっと高まります。
人は誰かを喜ばせることに生きがいを感じるのです。
ありがとう。助かったよ。うれしいな。
など、子どもではなく、自分がどう思ったかをその状況に応じて付け加えてあげるといいでしょう。
③誰かと比較しない。
ぴよ次郎君よりお仕度が早い~!!
と、下手に誰かと比べる必要はありません。
これでは変にお互いを意識してしまいますし、誰かと比べることで常に人の上に立ちたがる子になってしまいます。
「勝ち続けなければ価値がない。」と、失敗を恐れてチャレンジしなかったり、常にだれかと比べて、人に左右されてしまう子になってしまいます。
そうではなく、その子自身の成長を褒めてあげましょう。
昨日は途中で遊んじゃったけど、今日は最後までお仕度できたね。
これは①の子どもをよく見て褒めるにも繋がっていきます。
毎日子ども達と過ごしている先生だからこそ褒められることがあります。
そういうものを積み重ねていくことで、子どもが少しずつ変わってくれると思います。
④子どもに合わせて褒める。
子どもは様々な性格の子がいます。
その子たちに合わせて褒め方を変えていきましょう。
例えば注目されるのが苦手な子は、みんなの前で大きな声で褒めることにより行動が止まってしまうことがあります。
それよりも、最後まで見守り、終わった後にこっそり
先生、最後まで見てたよ。ぴよ太郎君お仕度できたね。
と、伝えてあげる方が喜びます。
反対にすぐ集中が切れてしまう子には途中で一度褒めてあげて、「じゃあ、次はどうする?」など行動を繋げてあげるのもいいでしょう。
自己肯定感の低い子は意識的に褒めることを増やしたり、いつも縁の下の力持ちで頑張っている子をクラスで紹介するように褒めたり…。
子ども達に合った褒め方を意識していきましょう。
まとめ
- なぜ褒めるのか→子どもの自己肯定感を高めるために褒める。
- どんな小さなことでも褒める。
- 降園時、保護者の前で褒めることも効果的
- OKな褒め方とNGな褒め方
→1,子どもをよく見て褒める
2,具体的な行動+感謝を伝える
3,誰かと比較せず、その子の成長を褒める
4,子どもに合わせて褒める
いかがでしたでしょうか?
褒めるだけでもポイントが沢山あって大変かと思います。
ですが、褒める技術をマスターすると子ども達との距離がぐっと近づきます。
私は毎日の保育の中で8割は褒めて、叱るのは2割くらいを意識しています。
この2割の叱る技術も集団保育をしていくうえでとても重要です。
こちらの記事にまとめたので是非読んでみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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